本日、最終巻である15巻が発売され、『サキヨミ!』シリーズが完結しました!
![]() |
シリーズ全巻、15冊! |
2020年9月に第1巻が発売されてから5年弱。
まさか15冊も出していただけるとは思ってもいませんでした。
美羽たちのお話をこんなに長く書くことができたのは、これまで応援してくださったみなさんのおかげです。
ここまで書かせてくださり、本当にありがとうございました。
シリーズ完結にあたって、今までを振り返って感じたこと、今感じていることなどを、みなさまへの感謝とともに書きつづっていきたいと思います。
私は、2020年につばさ文庫小説賞で金賞をいただいて作家デビューしました。
受賞が決まったとお知らせをいただいたとき、とてもうれしかったのですが、同時にがく然としました。
「ちゃんと本として出せる形に直して、なおかつシリーズ化するなんてことができるんだろうか? いや、絶対ムリだ!」と。
正直に書けば、私はこの「サキヨミ!」シリーズの元となった受賞作、「デスコレ!」がそれほど好きではありませんでした。思うようにうまく書くことができなかったから、というのが一番の理由です。
それでも選考委員の方々に可能性を感じていただき、賞をいただけたこと、本当にありがたく幸せなことだなと感じました。それに報いるためにも、なんとしても良いものにして、たくさんの読者さんに楽しんでもらいたい! ……そんな思いとともに、担当さんといっしょにたくさん考えて書き直したものが「サキヨミ!」の第1巻です。
わからないことだらけで戸惑うこともありましたし、何度も書き直していくうちにどうすればいいのか、自分がどうしたいのかがわからなくなることもありました。
それでもサキヨミ!の面白さを信じてくださった担当さんや編集部の皆様などのおかげでなんとか刊行にこぎつけ、結果、たくさんの読者さんと出会うことができました。
「サキヨミ!」がきっかけでお友達ができたという読者さんや、苦手だった読書が好きになったと言ってくださった読者さん。
「サキヨミ!」のような小説を書きたいという思いで、小説家をめざしていると言ってくださった方もいました。
「サキヨミ!」という作品は、夢をあきらめていたら決して経験できなかっただろう体験、決して聞くことができなかっただろう言葉を、私にたくさん与えてくれました。
「絶対ムリだと思ったことでも、あきらめなければなんとかなる」。そう思えるようにもなりました。
昨年の終わり頃、最終巻を書くにあたって、1巻から14巻までを読み返しました。
読むと直したくなってしまうので今まで通しで読むことはなかったのですが、改めて読んでみるといろいろな気づきがありました。
書いた当時の自分と今の自分の違い(今だったらこう書くのに!とか)、伝えたいことが先走りすぎて暴走している様子、すごく苦労しながら再構築したのが目に見える巻などなど。
同じくらい、書きながら楽しんでいる自分や、こうしたら楽しんでもらえるかな?と試行錯誤している様子、美羽たちキャラクターへの愛も感じました。
特にキャラクターについては、通しで読んでみると変化していく様子がよくわかります。私から生まれたキャラではありますが、駒形先生のイラストや担当さんのご助言、読者さんの反応などによって、少しずつ変化・成長していったのだなと思いました。
キャラクターたちと同じく、私自身も大きく変化したと感じています。
とはいえ、成長したのかと言うと、ちょっと首をかしげざるをえません。
経験を積む=レベルアップ、使えるスキルが増える! だと思っていましたが、実際はスキルブックの全体像がだんだんと見えてくるだけでした。今の手持ちポイントでは解放できないスキルがどんどん増えていくだけ。つまり、「いかに自分にできないことが多いのか」をひたすら思い知らされる5年間でした。
何もわからない状態でデビューしてからここまでたどり着くことができたのは、本当にたくさんの方々のご助力や応援のおかげです。
「サキヨミ!」の物語を書かせてくれて、私をここまで連れてきてくれて、本当にありがとうございました。
美羽たちとともに歩んだ日々は、苦しいこともありましたが、とても楽しく喜びに満ちた時間でもありました。あとがきにも書いたように、私の人生における大きな宝物です。
美羽たちの物語が、みなさまの未来の支えや励ましになりますように。
※つばさ文庫さんで新シリーズを始める予定なので、情報をお待ちいただければと思います。こちらも引き続き応援していただけるとうれしいです!